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2007年01月22日

シン・レッド・ライン Thin Red Line

シン・レッド・ライン Thin Red Line


THIN RED LINE(74点)


非常に美しい映像。内省的な言葉が使われる。何よりも兵士一人一人の人間的な側面や、細かなディティールを含む現実を、丁寧に描いている点が良い。例えば潜んでいる時に、オジギソウに触れてみたりする場面など。
また、敵として描かれるのが日本人である事は、とても考えさせられる。余りにも日本人が哀れに描かれていて、憤りを感じさせられる。理不尽に急に弱くなる気がして、納得できない。
戦争は、作戦を実行して、勝利を味わっている内は、楽しいものなのかもしれない。だが、仲間が殺される時、それは単に悲惨なものになってしまう。ここでは、アメリカ軍が殺され、日本人に恨みを抱き、勝利を得る為に、日本軍を殺す。それは日本軍にとっても同様で、全く対称的な世界なのである。
そして、我々はこのような地獄で戦死した者、生きて帰ってきた者に感謝しなくてはならないと思う。右翼は、武力や侵略を肯定し、日本人の魂を賛美し、その結果、戦死者を英雄化しようとする。そのような政治的主張とは関係無く、人間として彼らに感謝し、弔う事は大事だと思う。この映画では、イデオロギーの違いも、正義も悪も語られない。それらは現実の火と銃弾と、血の前では何の意味も持たないのである。とにかく目の前の作戦を遂行し、生き残る事だけなのだ。
/原住民の子供が海で遊び、ハーモニーの美しい歌を大人たちが歌う、美しいガダルガナル島。そこで戦略の拠点である飛行場をめぐって米軍と日本軍が激しい戦闘を繰り広げたのである。戦艦から兵士たちが、島に降り立ち、ある丘を奪取しようとするも、日本軍の猛攻撃に会い、多大な被害を受けてしまう。元弁護士の男がリーダーのグループは、その作戦に反対して、側面からの攻撃をして、成功し、日本軍を掃討する。マラリアになり、やせこけて、絶叫する哀れな日本人の姿が描かれる。次の作戦では、進軍中に、偵察に出た三人のうちの一人が、囮になり、草を被った日本軍に囲まれ、射殺される。「お前か、俺の戦友を殺したのは?分かるか?俺はお前を殺したくない。降伏しろ!」という日本人の一人。この場面では、日本語の訳は出てこない。だから、英語圏の観客は、撃たれる兵士同様、日本語が分からない。監督はここで、日本人もアメリカ人も関係無く、人間同士のギリギリの状況下での交流を描きたかったらしい。実際、日本人が人間らしく描かれるのは、他には捕虜になった男が、「貴様も死ぬんだよ!いつか!」という時ぐらいである。

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Posted by らっっっきー at 00:07│Comments(0)
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