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2008年04月06日

◆飢餓問題7 カーギルって何ですか???





 カーギルとは、穀物メジャーの超巨大企業の事である。
 カーギルの事業の全体像を提示した「カーギル」という本を読んだ。
 カーギルは、穀物メジャーと言っても、穀物だけではなく、広範な農産物を手掛けている。



 たとえばカーギルと言えば牛肉といえるほど、牛肉利権を持っている。
 他にも、油糧種子、トウモロコシ、飼料、食鳥、豚肉、キャットフィッシュ、鶏卵、綿花、ピーナッツ、果汁、果物、野菜、肥料、種子、製塩などなどである。
 トウモロコシに関して言えば、菓子の原材料に入っているクエン酸なども、トウモロコシから作られている。
 トウモロコシ⇒ブドウ糖⇒クエン酸 と加工される。
 クエン酸もクエン酸ナトリウムも、炭酸飲料に使用されている。クエン酸ナトリウムは、低カロリー飲料の甘味料として使われるサッカリンの苦い後味を抑えるために使用されている。
 また金融デリバティブの分野でも大きな収益をあげている。

 アメリカと言えば安価な農産物を大量に外国に輸出し、その国の農業を滅ぼす事で有名である。それを可能にしているものの一つに、アメリカ政府の補助金がある。
 それを得る為に、強力なロビー活動をしたのも、カーギルである。カーギルは、自由経済、市場原理を重んじるが、各国の補助金を活用する事に長けている。

 また世界各国に進出する多国籍企業である。日本にも進出し、伊藤忠や味の素と協力関係にある。
 しかし、驚くべき事に日本の商社や、全農などの抵抗にあい、あまり収益をあげられないでいる。

 また発展途上国のモノカルチャー農業が、飢餓・貧困を生み出す原因だというのは世界の常識である。しかし、カーギルは「そのようなモノカルチャー農業は、比較優位の原則に基づいており、発展に寄与する」と考えているのだ。
 「開発」という名の「搾取」は、このような考えに基づいているのだ。

 この本は正直、直訳すぎるし、誤訳もあるっぽいし、事業の解説がメインであり、その余波・影響がどうなのか分からないし…と言った問題点も多い。しかし、ベールに包まれた謎の巨大企業の全体像をとりあえず呈示した点は良いと思う。

 カーギルには、事業展開に以下のような、共通する戦略がある。
1)スタート時は、小口の投資に徹し、事業が軌道に乗ってから事業規模を拡大する手堅い経営手法
2)躊躇なく事業を撤退させる自在な経営判断力
3)自由化、規制緩和を声高に叫ぶ一方で、各国政府の手厚い保護を独占的に享受するしたたかさ
4)カーギル幹部が政府の要職についたり、政府高官がカーギルに天下るといった「回転ドア」や、ロビー活動の積極的活用


 さて・・・。世の中には飢餓状態の人たち、低栄養の人たちがいる。「世界の半分が飢えるのはなぜ? 」の筆者は、各国が自給自足の体制をとることだけが、飢餓を無くす道だという。
 だが、カーギルという穀物メジャーの帝国は、全くその反対の意見を持っている。

【引用開始】 (少し表現の変更箇所あり)
カーギルの企業目標は、五年ないし七年ごとに会社の規模を二倍にすることである。そして、この目標を達成するには、もっともっと事業を広くして、現地住民を開拓地から一掃する必要がある。
(カーギル流の自由貿易や、発展途上国のモノカルチャー農業を推し進めることによって、)人々は自分の手で生産するよりもバラエティに富む食糧を安い値で購入でき、生活水準の向上に結びつけることができる。よって、長い目で見ると、この方が有益であると、カーギルははっきり述べている。
自給農業のもとでは、こんな利益は決して実現できないと、カーギルは語っている。しかし、その必要なものを購入する金を誰もが工面できると、カーギルは勝手に決め付けているのだ。
(略)
この産業システムは、大量の食糧を生産することはできても、誰もが栄養を十分に摂取できることを保障しない。そのために必要な公平の原則を生み出すこともできない。
毎日、誰が食べられ、誰が食べられないかの決定が下される。だが不幸なことに、その決定権はカーギルなどの多国籍企業の手に移行しつつある。
【引用ここまで】


 感想として、まずこれだけ巨大な企業があり、世の中の重要なことに多大な影響を及ぼしていることに驚いた。
 日本とアメリカの農産物の輸出入の攻防なども、カーギルなどの大企業が主役だったのではないだろうか。
 日本の商社の力によって、日本にカーギルが入り込むことは困難であったという記述がある。これも日本の商社のすごさを思い知ったというのもある。(逆に日本の商社もカーギルのように発展途上国に様々なことをしてきたということなのだが・・・)
 しかし、最近の牛肉をめぐる日米の攻防を思い出してみるが良い。
 農水大臣が死んだ。そして農水官僚が痴漢冤罪逮捕されまくりである。もしかして、カー■ルがやったんすか??? いやまさかねー。そんなそんな。
 だが結果として、背骨入りのアメリカ産牛肉が日本に輸入されることになった。
 アメリカの食肉利権というのは、恐ろしいということを色々と聞かされたが、カーギルという秘密めいた会社がそこに何の影響もなかったと考えるのはどうかと思う。


 そして、あまりに深い世界の暗部を垣間見たという気がする。
 戦争ビジネスも、あまりにも悲惨で暗い最悪な地獄のような世界であるが、それもアメリカを中心とした大金持ちがしこたま儲ける手段である。そしてその代償に貧乏人が兵器でゴミのように殺される。
 食糧ビジネスも似ていないだろうか。アメリカを中心とした大金持ちがしこたま儲ける手段である。そしてその代償に発展途上国の人が飢えて死ぬ。
 「人の死というリミッターが外れた市場経済の暴走」と、誰かは言った。
 しかしだ。日本人は単なる傍観者ではなく、当事者なのだ。
 今日、食べたものは、穀物メジャーが関わっていたはずだ。

 さて、どーしたらよいのか分からんが、知っておくことは、良いことだ。
 さて、次に具体的に発展途上国の人間が、どのように搾取されているのか、それを次回以降で見ていこうかなと思う。

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Posted by らっっっきー at 20:30│Comments(0)
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