2006年12月03日
スペインの闘牛
闘牛と言えば、もちろんスペインである。数年前に訪れたスペインのバルセロナで、闘牛を見てきた。
基本的に、バルセロナはカタルーニャ州であり、闘牛の本場ではないのだ。またフラメンコの本場でもない。しかしやはりそこは観光客の事を考えてくれて、というか、観光客が来るので儲かるので、それを見せる場所はあるのだ。
ソンブラとか、日陰と日向の席があり、それぞれ値段が違う。適当に安い席を買って双眼鏡で見ていた。
闘牛には、以下のような順序があるらしい。
http://monologue.chase-dream.com/essay/2002/essay-020721.html
(1)黒い牡牛の登場
(2)ピカドールの場。2頭の馬に乗った2人のピカドールが,牡牛の首筋を槍(ヤリ)で突き刺す.
(3)バンデリリェロの場
両手に銛(モリ)を持ったバンデリリェロが,一対の銛を3組,牡牛の首筋に刺す.
(4)ムレータの場
剣とムレータと呼ばれる赤い布を持ったマタドール(闘牛士)が華麗な技を披露する.
(5)真実の瞬間
マタドールが牡牛の首筋に剣を突き刺し,止めを刺す.
(6)死体の撤去
馬が牡牛の死体を引いて,闘技場から運び出す.
で、感想。
とりあえず牛さんがかわいそうでした。
最初に意気揚々と、興奮して、猛り狂った牛が出てくるのは、すごく迫力がある。
だが、馬に乗ったピカドールとかいうやつが、グサッと、牛さんに剣を刺します。かなり痛そうなんだよねー。しかもずるいのは、馬は、鎧を着ているので、絶対牛さんにやられることはないのだ。
そしてちょっと半笑いなような、兄ちゃんが、どんどん刺してゆく。別にふざけてるわけではなく、命がけなんだろうけど、客にアピールするように笑顔なのである。
そして牛さんがアホすぎるんだよね。見ててまじで切なくなってしまった。牛さんは、ヒラヒラしたマントの方に一生懸命突進して、倒そうとするんだけど、もちろん人間の本体は、その横にいるので、絶対に倒すことはできない。
ってゆーか、牛さん、お前ら何百年前から、その手にのってるんだよ・・・。いい加減騙されるなよと思った。
ずーっと、マントのひらひらに突進するしか、能の無い牛が、マジでかわいそうであった。
そうこうしていて、全然人間に、ダメージを与えられないままに、牛さんは、どんどん血だらけになっていて、グサグサと、いろんな羽飾りのついた槍をアクセサリーのようにつけつつ、更に相手を倒そうと、一生懸命である。
そして次第に弱ってくる。血が足りないのか、フラフラしている。そして立ち止まってしまうのであった。それはまるで、朝礼で貧血で倒れる寸前の生徒のようであった。ボーーーっと、かろうじて立っているのであった。
そして、兄ちゃんが、最後にうやうやしく、長い剣を取り出して、観客にアピールする。そして、牛にグサーーーっと突き刺して、牛は、ドサーーーっと倒れて、ジ・エンドなのである。そしてもう動かず、意識を失い、鎖につながれて、馬車に引きずられて、退場するのであった。
そして、また元気な牛さんが登場して、同じ事の繰り返しであった。
うーーむ。ま、俺もけっこう牛肉好きだしなー。抵抗することもなく屠殺させられて、死ぬのと、こうやって最後に命をかけて、戦って死ぬのと、どっちが牛にとって幸せだろうかと考えると、また、うーーーむとなってしまうのである。
そして観客もまた熱いのであった。
マタドールがうまくやると、やんややんやと喝采し、ヘタクソだったりすると、ブーイングをあびせるのだ。パンチの効いた大阪のおばちゃんのような、スペインのおばちゃんが、子供づれで、すごいヒートアップしてるのは、面白かった。
Posted by らっっっきー at 23:28│Comments(0)