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2006年10月04日

戦争とファナティックおっさん妄想

戦争とファナティックおっさん妄想 

 この前の第二次世界大戦において、日本人の中にあったメンタリティとはどんなものであったか。一国が戦時体制になっている時には、それを継続すべく、国内の精神を統一化させようという動きがあった。軍部は、暴力的なテロという手段も用いて国内を統制していった。その流れの中に、軍部を中心として、天皇機関説を排撃するという動きがあった。国家を人間に例えると、天皇は頭に相当するというのが天皇機関説であった。反対派の考えというのは、天皇が機関に過ぎず、国家そのものでないというのは、けしからんというものであった。しかしこのような軍部の考えと裏腹に、天皇自身は天皇機関説を取っていた。天皇本人の意思と、軍部の意思がどんどん乖離していったのである。天皇機関説の排撃運動の裏にあったのは、日本の軍部が、自らが天皇の軍隊であるとして、天皇の軍隊イコール絶対であるという、理屈が、天皇機関説によって弱められるのを恐れたからだという説明がある。先の大戦においては、軍部の暴走という側面が強い。中国における戦線拡大も然りであり、アメリカとの戦線拡大もしかりである。「一撃鉄槌」として、相手をみくびり、精神論で何とか勝てるという、トンデモない見込み違いの積み重ねがあった。
 さて、そのトンデモない見込み違いの精神には、それを支える哲学のようなものがあった。「陣地は死すとも敵に委すること勿れ」、「七生尽忠の信念を源力とし、地の利人の和をもって飽くまで戦争を完遂し、もって国体を護持し皇土を保衛し、民族将来発展の根基を確保す」というのが、1945/06/08に御前会議で決まった「本土決戦に関する基本大綱」のエッセンスであった。国体保持という天皇制を維持するために、国民がみんな死んでも戦い続け、死んでも死んでも七回生まれ変わって忠義を尽くして、戦うというトンデモない考え方であった。また特攻隊の生みの親といわれる大西瀧治郎は、「いくらアメリカでも日本国民を根絶してしまう事はできない。責めあぐねればここらで和平しようと考える。そこまで持ち込めば価値とはいえないまでも負けにはならない」「二〇〇〇万人を殺す覚悟でこれを特攻に用うれば、決して負けることはありません」「日本人の五分の一が戦死する以前に敵のほうが先にまいることは受け合いだ」などというトンデモないことを言っている。
 天皇は、このような一億総玉砕についてどう考えていたのか。「このような状態で本土決戦に突入したならばどうなるか、わたしは非常に心配である。あるいは、日本民族はみな死んでしまわなければならない事になるのではないかと思う。そうなれば、皇祖皇宗から受け継いできたこの日本と言う国を子孫に伝える事が出来なくなる。日本と言う国を子孫に伝えるためには、一人でも多くの国民に生き残っていてもらってその人たちに将来ふたたび立ち上がってもらう他道はない」(機関銃下の首相官邸より)という天皇の発言がある。
 昭和天皇の発言の方が、あまりにも全く当然というか、現実的であり、もっともだと思う人もいるのではないだろうか。一億人が死んでまで、国を守るというが、精神でなんとかなるものとならないものがある。冷静さを失ってしまってはダメであるし、勝つという目標が仮に間違っていなかったとしても、一度引くということも必要である。それにそもそもここまで日本国民の命を粗末に使い捨てるという哲学は、一体何なのだ。これを考えたのは、妄想に取り付かれたただのオッサンである。言葉を紡ぎ出すのがうまいだけの、妄想に取り付かれたイカれたおっさんに、沢山の命がムダにされるなんておかしい。意思決定のプロセスが明確でなく、いつのまにかそういう事になってしまっていたのだろう。
 
 安倍晋三などは、中国と戦争したいらしく、教育基本法も改正したいと言っているが、一部のファナティックで頭のイカれた妄想に取り付かれた戦争狂ドモが、国の舵取りをしたならば、あっという間に行く所まで行ってしまうのではないだろうか。浅薄で下らん議論がなされている。結局は、妄想に取り付かれたただのオッサンどもが、そうしたいと願っているだけなのではないだろうか。マジで勘弁してくれって感じじゃねーか。

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Posted by らっっっきー at 20:24│Comments(0)戦争とか世界とか
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